AIチャットと検索
当社における検索エンジンの位置付け
ここ最近の2つのコラムで、今後のCXにおけるAIの活用について触れましたが、今この辺りの動きは急速に広がっているという感触です。
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【関連コラム記事】
AIコマースメディア構想
https://zeta.inc/column/ai-dig/ai-commerce-media/2025/1029
(2025年10月29日公開)
活用期に入るAI
https://zeta.inc/column/ai-dig/practical-phase-of-ai/2025/1015
(2025年10月15日公開)
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当社の「ZETA CXシリーズ」の現在の売れ筋製品は検索、クチコミ・Q&A、ハッシュタグ、リテールメディア広告ですが、その中でも主力はやはり検索エンジンです。
売上構成比が高いだけではなく、ハイエンドのEC商品検索エンジンとしてはトップクラスのシェアを持ち、また製品の競争力も高いという中核製品です。
このため、当社の製品展開はほぼ、この検索エンジンを中心に据えて構成されています。
もともとレビュー・クチコミ・Q&Aエンジンである「ZETA VOICE」を発売したのも、検索エンジン利用時には「評価(レビュー)の高い順」にソートする需要が高いため、他社製品よりも自社でクチコミエンジンをラインナップした方が良い、というのがきっかけでした。
またリテールメディア広告は、EC商品検索連動型広告なので、特にハイエンド向けに検索エンジンのシェアを広げていけば、いずれ検索クエリが広告としてもマネタイズできるという見込みがあったためです。
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【2017年のコラム記事】
サイト内検索連動広告の未来
https://zeta.inc/column/mktg-ad/marketing-site-search201701/2017/0123
(2017年1月23日公開)
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新たな検索マーケットの出現
そして、こうした検索エンジンの収益化の次の大きな波がAI連携ということになります。
もちろん近い将来におけるエージェンティックコマースとしての需要もありますが、その前にAIチャット連携について、急速に高性能な検索エンジンの需要が高まりつつあります。
ChatGPT以降の生成AIブームが来る以前から、当社としては会話検索(ウィザード検索)需要については認識していたので、ZETA SEARCH CHAT EXTENSIONという拡張機能を提供していました。
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【関連プレスリリース】
チャット型検索エンジン『ZETA SEARCH CHAT EXTENSION』を提供開始
https://zeta.inc/press-release/products/zeta-search-chat-extension202004/2020/0414
(2020年4月14日公開)
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それが生成AIの登場によってチャットの性能・精度が大きく進化し、ECにおけるチャットの活用シーンが一気に広がり始めています。

生成AI登場によるハイエンド検索の需要
ChatGPTを始めとする生成AIは、ECで使う上でいくつか越えるべきハードルがあります。
非決定性、ハルシネーション、十分なトークンやチャンク数(これはもう解消されたと言えますが)等です。
こうした問題に対する解決策としてRAG(検索拡張生成)というアプローチが提唱されましたが、上記にも述べたようにChatGPT以前からも会話検索という需要はあった(ただそのチャットの精度があまり高くなかった)ので、LLMが検索拡張されたというよりは、当社のようなEC検索エンジンベンダーからすると、会話検索の会話部分がLLMによって急速に進化したという印象です。
経緯はさておき重要なのは、生成AI(LLM)という画期的なテクノロジーの進化で一気にCXにおいて会話というUXが使いやすくなった、ただしLLMには解決すべき問題点もある、その解決において(RAGと呼ぶかどうかはさておき)高性能な検索エンジンの需要が一層高まっているという状況なのは間違いありません。
また、検索エンジンに求められる精度も以前よりも要求されるレベルが上がってきています。
これは、以前はECにおいてもキーワード検索がメインだったのが、会話検索が広がることでコンテキスト検索(経緯や背景を踏まえた検索)が求められるようになりつつあるためです。
会話検索で入力された文章を必要な要素に分解するのは生成AIが得意とする分野ですが、そうして抽出された質問群からどういう検索結果を出力するかは、生成AIではなくて検索エンジンの担う処理となります。
当社はもともと処理性能の高さに加えて、検索結果の精度が高いことも強みですが、今後はこの精度の高さの強みがより活かされていくというトレンドが、前述した検索エンジンの収益化の新たな波ということです。
当社でもチャットオプションはありますが、ECにおけるチャット機能そのものはもうすでに過当競争になりつつあるので、当社としては自社で提供するチャット機能との連携にこだわらず、さまざまなECチャット機能との連携を進めていくことを考えています。
(チャット機能ベンダー側から見ると、それがいわゆるRAGになるということだと思います。)
先日、当社グループにおけるAIコマースメディア構想を担う子会社であるLAMBDA株式会社において、清水亮氏をCAIOとして招聘したというリリースをしましたが、清水氏の知識経験を当社のエンジニアと連携することで、このあたりの取り組みも急速に進展しつつあります。
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【関連プレスリリース】
当社グループにおけるAIコマースメディア構想のキーパーソンとして、清水亮氏をLAMBDA株式会社のEVP CAIOとして招聘
https://zeta.inc/press-release/topics/evpcaio-shimizu/2025/1104
(2025年11月4日公開)
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AIチャットにおけるEC検索連携の市場を大きく獲得すべく、取り組みを進めていきたいと思います。
■関連コラム■
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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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【公式SNS】
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【CX向上生成AIソリューション ZETA CXシリーズ】









