AIコマースメディア構想
レビューを活用したコマースメディア展開
当社では、検索・レコメンドに次ぐ長い歴史を持つ製品が、レビュー(クチコミ)・Q&Aエンジンの「ZETA VOICE」です。
元々、検索エンジンの結果のCXを高めるにはレビューが必要、という観点から取り組んでリリースしたものですが、その後CXの透明性というかAuthenticityがより重要になるであろうという視点から、より戦略的なプロダクトとして成長してきました。
すでに当社で取り扱っているレビュー・Q&Aの総数は1500万件ほどにもなりますが、当社としてはこれらを活用したコマースメディア展開を目論んでいます。
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【関連リリース】
ZETAが子会社「VOICE株式会社」を設立
https://zeta.inc/press-release/topics/zeta-subsidiary-voice-establishment-202501/2025/0128
(2025年1月28日公開)
CX向上に成功する企業の共通点はUGC活用!ZETA導入先のレビュー・Q&A投稿数が1,000万件を突破!〜アダストリア・ベルーナなど国内大手ECサイトで導入〜
https://zeta.inc/press-release/products/zeta-voice-review-qa-post-breakthrough-10m-202308/2023/0823
(2023年8月23日公開)
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すでに先行している、レビューをメインにしたメディアは、価格.comや@cosmeなどがありますが、当社も国内ECをジャンルを問わずカバーするクチコミメディアを立ち上げ、展開していく予定です。
グループ会社の事業目的拡大と社名変更
一方で、前回のコラムでも触れたように、ECにおけるAI活用がこの半年ほどで急速に変化というか進化し始めています。
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【前回のコラム記事】
活用期に入るAI
https://zeta.inc/column/ai-dig/practical-phase-of-ai/2025/1015
(2025年10月15日公開)
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当社はこれまで、ZETA CXシリーズというプロダクトの開発・販売に専念してきましたが、現在の状況を見るにつけ、今後R&Dの取り組みの加速と、クライアント企業へのAI活用のサポートを行うことが重要になる可能性が高いと考えています。
そのため、当初クチコミメディアの展開を行うために設立したVOICE株式会社というグループ会社の事業目的を拡大し、ECをはじめとするコマースメディアにAIを活用するための事業全般を対象とすることとしました。
これらの取り組みを、一旦AIコマースメディア構想と名付け、自社メディアだけではなく、国内におけるECサイト、shopifyなどのアグリゲーター、ChatGPT等の各種AIとの連携を行うための機能開発、コンサルティング等を推進していく予定です。
またこれに伴い、VOICE株式会社をLAMBDA株式会社へと変更しました。(※1)
ZETAはCXソリューションの提供、LAMBDAはAI推進を担う想定ですが、今このジャンルの変化も激しいため、状況に応じて柔軟に取り組みをしていければと思います。
余談ですが、ZETAという名前は以前の社名であるZEROSTARTの短縮という理由が強いですが、今回のLAMBDAはギリシア文字の中ではAI的なイメージが強いという理由です。
またLAMBDAとは別にDELTA株式会社という投資目的の子会社を設立しましたが、こちらも、DELTAという名称は差分(マージン)というイメージが強いためです。
プロトコルを活用した生成AIとECの繋がり
先週も、WalmartがChatGPTから直接買い物できるという海外の記事が日本向けに編集、公開されていました。
私は、現時点での印象としては、日本では生成AIの中で自動的に最終購買まで済ます、という形態はあまり根付かずに、最終的な購買のアクションはECそのものに遷移する、と思いますが、いずれにしても生成AIとECがMCP(Anthropic)、A2A(Google)、ACP(OpenAI)などのプロトコルを活用してよりダイナミックに繋がっていくのは確実だと思います。

まだ今のところはそうしたAIとECを繋ぐための規格の策定が過渡期のため、あまり特定の規格にロックインしないほうが良いとは思いますが、今後こうしたプロトコルやデータフォーマットはたくさん登場してくる可能性が高いので、当社としても出遅れないようにリサーチや研究開発をしていき、クライアント企業のECの発展に寄与していければと思います。
生成AIにおける広告表示
日本ではまだ現時点でそこまでGEO(生成AI上のSEO)の実例はないですが、今後生成AIの回答にどうランキングされるかは、相当激しい競争が始まるのは確実です。
OpenAIも一旦は営利企業展開を断念、という報道がありましたが、ChatGPTの出力に広告が貼られるようになるという展開はすぐ訪れるような気もします。
そもそもGeminiはGoogleなので、そちらの方が収益化は早いかもしれませんが、OpenAIがブラウザをリリースしたのは、おそらくその辺りの展開も見据えてのことでしょう。
生成AIの回答自体に広告が出るのは、おそらくCX的にあまり歓迎されないでしょうから、ブラウザとしてGoogle広告のようにオーガニックな回答とは別エリアで広告表示できないかについて、今検討している真っ最中かもしれません。
GEO時代に求められるAuthenticityが高いコンテンツの蓄積
かつてSEOは、そもそも検索結果のランキングを上げるために努力する、という取り組み自体にあまり前例がなかったこともあり、黎明期は被リンクを貼りまくるようなチート的なアプローチも多かったですが、そうした混乱の時期を乗り越えて今に至ります。
ただ、SEOの成熟とチートはイタチごっこであり、ここ数年でまたインターネット検索の結果があまり有用でないページが多くを占めるという現象が起きてきています。
GEOについてもこうしたイタチごっこはまず間違いなく発生すると思いますが、最終的には、必ずAuthenticity(本質的な意味での信憑性)が高いコンテンツの提供が重要であるというアプローチに落ち着いていくでしょう。
そのためには、アセットとして有用なコンテンツの蓄積が重要であり、ZETA GEOはそうした本来の意味での有用なコンテンツの蓄積をサポートします。
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【ZETA GEO】
https://zeta.inc/cx/products/zg

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先日も、EXPOの基調講演でそのあたりについて紹介をしたところ、登壇後にQ&Aの実装について非常に熱心なご相談をいただきました。
今後はZETA CXシリーズの提供だけではなく、こうしたコマースメディアにおけるAI活用のコンサルティングの提供も進めていきたいと思います。
(※1)新規⼦会社の設⽴及び既存連結⼦会社の⽬的の拡⼤とそれに伴う商号変更のお知らせ (2025年10月27日開示)
■関連コラム■
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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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【公式SNS】
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【CX向上生成AIソリューション ZETA CXシリーズ】








