ad:tech tokyo の パネルディスカッション


先日登壇した ad:tech tokyo

早いものでこのコラムも今回で50回目となりました。

10月17-18日に開催された ad:tech tokyo で、カスタマーエクスペリエンスについての パネルディスカッション にて登壇しました。

単独での登壇では何度もカスタマーエクスペリエンスについて取り上げてきましたが、こうして他の人とディスカッションという形式では初めてでしたが、少しはカスタマーエクスペリエンスも普及浸透の兆しが見えているのかもしれません。

さて、今回私がディスカッションの前提で訴えた内容について簡単に紹介してみます。

あ、その前に登壇者の顔ぶれは、ディノス・セシールの石川さん、JALの山名さん、ジーニーの工藤さん、モデレーターはBICPの菅さんという感じです。

流れとしては石川さんと山名さんがそれぞれリテール、ブランドの立ち位置からCXの話をして、テックベンダーとしてはというものでした。

まず、石川さん山名さんのお話で共通していたのは「一番重要なのは商品とか体験」という部分です。

まあそこに異論を唱える人はいないと思いますが、それを「どう伝えるかがマーケティング」という話です。

テックベンダーが目指すもの

CXの話では私はいつも「商品の本質的な価値をいかに正しく伝えるかが重要」と言っていますが、今回も基本的には要点は同じです。

今回はそこをもう少し踏み込んで、「本来理想は消費者がありとあらゆる知識を得て、それらを活用し、最善と思われる買い物をすること」という話をしました。

カスタマーエクスペリエンスとは

素晴らしいマーケティングを展開すれば可処分所得を超えて買い物をするわけではないので、結局は「一番満足できる買い物」をしてもらうのが良いことだと思います。

悪い意味でマーケティングに踊らされて、あとから後悔する買い物をすると、消費者も不幸ですが長い目で見ればブランドにもリテールにもマイナスです。

どれを選んでもそれほど差がないような商品ジャンルでは、どれを選んでも同程度の満足度になるでしょうから、マーケティングによってライバルに差をつけることは重要だと思いますが、選ぶ商品によって消費者ごとに最善の選択が異なるような場合、当社のようなテックベンダーとしては消費者が満足できる選択をする手伝いをするというのが本望です。

率直に言えば、「消費者が可処分所得の中で有意義な買い物をするために、可処分時間を効率的に使えるようにする」ということです。

消費者がすべての買い物において、十分な時間をかけてリサーチして、そのジャンルにおいてトップクラスの知識をつけてから商品を選ぶなら出番はないですが、まあそういうわけにもいかないでしょう。

家を建てるとか車を買うというライフイベントでも失敗するケースがたくさんありますから、日常的な買い物ではなおさらです。

ECにおいてCXを追求するとは

さてそもそもテックベンダーには「消費者に寄り添う」のか「クライアントに寄り添う」のか、という選択肢が背反することがあり得ます。

クライアントの意向に反した機能が導入されることはありえないので、消費者に寄り添うことを考えたら「消費者に寄り添うクライアント」に寄り添う、という選択しかありえません。

当社の商品検索エンジンレコメンドエンジンレビューエンジンなどの一連の製品は、国内では最もハイエンドなため価格も高く、クライアントであるブランドもしくはリテール企業が「マーケティングは消費者に寄り添うものだ」と考えている場合でないと、そもそも導入を検討してもらえないということもあり、基本的に当社の製品の導入先のサイトは「いかに消費者に満足のいく買い物をしてもらうか」という点を重視しているケースがほぼ100%です。

消費者の満足感を重視しないコマースなんてあるのか?とも思いますが、離脱しようとするとクーポンを出すとか、買い物のワクワク感を出すUXのような、言ってみれば財布の紐を緩めるような手法というのは、満足につながるケースもありますがそうでないケースもあるのではないでしょうか。

例えば実店舗だと、高級デパートに入っているお店や、その業界において知る人ぞ知るようなタイプのお店は、消費者の買い物というか選択が失敗に見えるとき、「お客様本当にそれを買って大丈夫ですか」みたいなアドバイスをしてくれるケースがあります。

でもさすがにまだECで「本当にそれを買って大丈夫ですか?」と放棄を促すようなアプローチはありません。

ただECにおいてCXを追求していくなら、消費者の選択自体が間違っていそうなら止める、ということも必要になっていくのではないかと思います。

ZETAがテックベンダーとして重視するもの

さて、そうした中で当社がテックベンダーとして重視しているのは、「とにかく処理速度」というのが私の考えです。

処理速度の重要性

消費者の限られた時間の中で、大事なお金を遣って買い物をするなら、いかに短時間で大量のデータを処理し、消費者の買い物における商品検索・選択のサポートをするか、という意味では処理速度以上に重要なものはないのです。

もちろんロジック、アプローチ、言い方はさておきどういうデータ処理をするかも重要ですが、所詮処理速度が追いつかなければ実行できないのです。

逆にいえば処理速度さえ十分速ければ、どんなアイデアでも実装できるのです。

当社の製品がハイエンドを標榜し、高価格にも関わらずこれだけ多くのお客様に導入いただき、また一旦導入いただいたあとの継続利用率がこれだけ高いのは、ひとえに処理速度とあと当社のエンジニアの消費者目線へのこだわりによるものだと思います。

でももちろん、一番重要なのは、商品そのものであることも間違いありません。


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コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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