RAGとエージェンティックサーチ

RAGというワードの定義

先週社内で、RAGという言葉の指す内容についてのやり取りがありました。
私がRAGというワードを使う時は広義の意味で、AI(LLM)が検索エンジン等に接続してリアルタイムで正確なデータを取得し回答する、つまりAIからデータを取りに行くというプロセスを想定しています。一方で、狭義の意味ではAI(LLM)に事前に正確なデータを学習させに行くというプロセスがRAGに該当するというものです。
私が想定しているケース(AIがリアルタイムで検索に行く)は、狭義ではエージェンティックサーチと呼ばれるという記事がありました。
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なぜ、Claude Codeは、RAGを捨ててAgentic Searchを選んだのか?(2026年2月7日公開)
https://zenn.dev/karamage/articles/2514cf04e0d1ac
出典元:クラスメソッド株式会社「Zenn」
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上記の記事においても、広い意味のRAGと狭い意味のRAGという記載があった(広い意味のRAGにはエージェンティックサーチが含まれる)ので、今まさにこの辺りは用語の定義が日々変遷しているのだと思います。
そもそも私が最初にエージェンティックという言葉を聞いたのは去年のSHOPTALKでしたが、当時はエージェンティックというワードは、ほぼAIにかかっていました。
今はエージェンティックAIだけでなく、エージェンティックコマース、エージェンティックリテール、そしてエージェンティックサーチなど、さまざまなワードにかかるようになってきています。
そもそもエージェンティックの意味自体、去年と今ではちょっと変わってきています。

AIと検索の連携を表す構図

当初はエージェンティックという言葉が使われる時は、AIが自律的に行動し、またAI同士が会話するというAI対AIというシーンを想定したものでしたが、今はMCPやUCPのように、AIが何らかのプロトコルで他のシステムに接続するというケースも(むしろ現在はこちらのケースを指すことが多く)エージェンティックと呼ばれています。
そのため、当社がRAG連携という表現を使った場合、受け手が狭義のRAGを思い浮かべた場合には、意図とは異なる意味で伝わっている可能性があるということになります。
一方で、このコラムを書いている時点では、例えばGoogle検索すると「RAG 検索」は約500万件、「エージェンティック 検索」は約6万件がヒットします。

つまりエージェンティックという単語はまだそこまで認知されていないので、広義の意味のRAGというワードを使うか、狭義の意味でエージェンティックサーチというワードを使うかは、悩ましいところです。
様子を見つつ、一番齟齬なく伝わる選択をしていきたいと思います。

ZETAが考えるエージェンティックサーチの重要性

ワードの選択はさておき、上記の理由から当社のこれまでのリリースやコラムでは一貫して「RAG」というワードを使用していたため、その点について正しく伝わっていなかった可能性があります。
ちなみに、狭義のRAG、すなわちデータをAIに学習させにいく、という事例もすでに当社で存在しています。
ただ、最近当社が打ち出しているAI時代の検索の需要の増加は、上記でいうところのエージェンティックサーチの方です。
GeminiやChatGPT等の生成AIサービスにしても、ECサイト自体に搭載されるAIチャットにしても、今後メインで使われるのはAIに事前学習させるタイプではなく、文脈的にエージェンティックサーチで取り出すべき場面において、検索エンジンやクチコミ・Q&Aエンジンに接続してデータを取り出す、というアプローチです。
当社の検索エンジンの導入事例でも、10年前に比べて、在庫情報や価格情報その他の即時反映の比率は相当高くなっています。
クチコミ・Q&Aは、投稿があったときに事前学習でも大差ないかもしれませんが、ECにおける商品検索は、少なくとも当社のターゲットである大手ECにおいては、リアルタイムデータがCX的にもビジネス的にも重要になってきます。

AIとシステム連携を表す構図

エージェンティック市場への対応

先日、ワールドワイドで22万件超の導入実績を持つChannel Corporationが手がけるAIチャットサービスである「チャネルトーク」との提携・連携を発表いたしました。

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ZETAとChannel Corporation、生成AI領域における業務提携および 「ZETA CXシリーズ」と「チャネルトーク」のサービス連携を開始
〜検索・レビューデータとAIチャットのRAG・API連携により、コンバージョン改善とCS業務効率化を両立〜(2026年2月10日公開)
https://zeta.inc/press-release/topics/channel-corporation-zeta-business-development-alliance/2026/0210
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当社でも「ZETA TALK」というAIチャットの自社製品を提供※1しておりますが、この分野は急速な拡大が見込まれるため、トッププレイヤーであるチャネルトークとの連携によって、RAG(エージェンティックサーチ)市場を素早く獲得することを重視しております。
また、そうしたエージェンティックサーチの需要を見越して、「ZETA LINK」という、AIチャットと当社の商品検索エンジンやクチコミ・Q&Aエンジンとの接続を容易にする連携基盤プロダクトも発表いたしました。

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ZETA、生成 AI との連携基盤製品「ZETA LINK for AI」を提供開始。商品検索エンジン、クチコミ・Q&A エンジンと生成 AI の接続を容易に実現し、エージェンティックコマースを加速。(2026年2月17日公開)
https://zeta.inc/press-release/products/zeta-link-start-of-provision/2026/0217
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エージェンティックサーチの規格は、MCPやUCPと乱立状態であり、標準化がどのように推移していくかも不明瞭なため、そうしたAPIやプロトコルの差異を吸収するためのプロダクトになります。

当初は特にエージェンティックサーチで連携するのは商品検索エンジンという想定でしたが、Channel Corporationとのディスカッションにおいて、クチコミ・Q&Aもかなり需要があるとのコメントがあり、今後商品検索エンジンの「ZETA SEARCH」だけではなく、クチコミ・Q&Aエンジンである「ZETA VOICE」を始めとした他のプロダクトとの連携需要も出てくることを想定し、「ZETA LINK」という連携基盤プロダクトがある方が、開発する機能は同じでも再利用性が高まり、結果として効率的だからです。

RAGというワードの指す意味の変化や、エージェンティックというワードを接頭辞にもつ用語(AIやコマースやリテールやサーチなど)の増加、エージェンティックサーチでの仕様の増加など、このマーケットは今急速に変化し、拡大しつつあるため、当社としても臨機応変に対応していきたいと思います。

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関連リリース

※1.ECサイト向けAIチャット「ZETA TALK」の提供を開始
〜「ZETA SEARCH」との組み合わせにより高度な検索連携を実現〜(2025年11月17日公開)
https://zeta.inc/press-release/products/zeta-talk-start-of-provision/2025/1117
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■関連コラム■

コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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【CX向上生成AIソリューション ZETA CXシリーズ】

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