ad:tech ダイヤモンドスポンサー、コマースサミット プレミアムスポンサーのご報告と、DXについて思うこと


New Normal時代のリアルイベントと大型協賛への挑戦

10月末にad:techのダイヤモンドスポンサー、11月にコマースサミットのプレミアムスポンサーと、コムエクスポジアムジャパンのイベント2つ連続で最上位スポンサーを務めました。

今年はコロナ禍でマーケティングイベントにおいてもかなり試行錯誤する部分が多かったということもあり、コムエクスポジアムジャパンだけでなくマーケティングイベント運営会社の方々は大変だったかと思います。

そうした中で、少しでも普段の恩返しができればということでスポンサーをしたのですが、2つのイベントが結構近い日程ということもあり、結構準備はバタバタでした。

また、コマースサミットの2日目には東京都から「最も高い警戒レベルに引き上げ」というアナウンスもあり、またここからより一層、感染拡大防止に努めていく必要がありそうです。

ad:techではキーノートステージにアーティストのスプツニ子!さんと登壇し、「新たな世界で試されるマーケターの姿勢と行動 ~社会的課題の解決をリードできるのか?」と題して主にSDGsなどについてディスカッションを行いました。

ad:tech tokyo 2020

昨年のad:techでもキーノートステージで登壇したのですが、テーマには縦糸があり「真面目なマーケティングとは」というのが、ここ2年ほどずっと取り上げているトピックです。

コマースサミットのプレミアムセッションでは、タイトルもそのまま「New Normalと真面目なマーケティング」と題した登壇を行いました。

ad:techキーノートステージはそもそもスポンサードしても自社PRのようなトピックはできませんが、コマースサミットのような協賛ステージでも、当社はあまり自社のPRを行わずに真剣に考えたいトピックについて問題提起を行うような内容にするケースがほとんどです。

今回のコマースサミットでも、「ZETAさんはどうせ自社の話はしないでしょうしね」とコメントされました。

「DX」の目的化と部分最適化

協賛しているのだから自社の宣伝をしたいというのもなくはないのですが、自分がオーディエンス側の場合、事例や数値に基づく内容以外のPR的な内容は正直ちょっと退屈に感じる上に、一番最初の一番時間の長いセッションであればなおさらかなと思い、できるだけその後のイベントを通じてディスカッションできるようなトピックを取り上げることにしていまして、今年のコマースサミットはかなりのステージがDXについてでした。

もちろんDXが重要というのはその通りですし、それについてディスカッションが盛り上がるのは良いことだと思いますが、一方で手段の目的化というか、そもそもなぜDXが必要でそれについて議論しているのか、違和感を感じるケースがあるのも事実です。

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SIベンダーを中抜きすればDXできるのか?そんなに甘い話は転がっていない※1
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ちょうど、楠さんのDXについての記事が出ていましたが、

内製化によってSIベンダーを中抜きすれば問題が解決するかというと決してそんなことはなく、これまで彼らが吸収していた不確実性を直接ハンドリングする必要が生じてくる
バッファーが積まれた高い見積もり、枯れた技術を使って、余裕あるスケジュールで、要件を固める必要は、決して悪徳ベンダーが寝っ転がっていた訳ではなく、自分たちが求める要件に対して真摯に対応してきた結果

という部分には、全部が全部そうではないとしても、問題の本質を突いている示唆が含まれているのではないかと思います。

コマースサミットでもDXについて議論するステージを見ていて思ったのは、結局のところ「テクノロジーがわからないときにどう行動するのか」という点が大きいのではないかということです。

テクノロジーがわからないから社内の教育に力を入れる、テクノロジーがわからないからSIに相談する、テクノロジーがわからないから分かる人をヘッドハントする、これらはすべて手段であり、目的のために妥当な手段であれば別にどれを選択しても良いと思います。

問題は、手段が目的化してしまい、例えばSI排除が金科玉条になって独り歩きするとか、社員教育が目的化して迷走するとか、そういう部分最適化のほうにある気がしてなりません。

テクノロジーへの理解と正しい判断

もっといえば、DX自体目的ではなく手段であり、結局は企業経営、そして顧客への向き合い方においてデジタルというアプローチが欠かせないがためにDXが必要であり、そしてDXを推進するためにどういった手段を取るのか、とそういう話です。

そして、どんな手段を取るにしても、企業として意思決定は必要であり、またその手段が正しく機能しているかを継続的にチェックするプロセスも必要なのは当然ですが、「意思決定をする立場にいる人間がテクノロジーを理解していなければ、結局うまく行かない可能性が高い」のも、また当然の帰結かと思います。

企業のトップが、社内で一番ではないにしても、妥当な経営判断をできるくらいにはテクノロジーを理解するか、もしくは「この人間のコメントは概ね信頼できる」という、CTOなりVPoEなりテクノロジーに精通しつつ、経営的な視点もあり、また自身のエゴを判断に混ぜ込んでこない人間を発掘するか、どちらかは必ず必要です。

テクノロジーの理解

良くある失敗として、「経営トップが中途半端に理解して、わかったつもりになっている」というケースと、「経営トップからテクノロジーについて任された人間が、保身など自身のエゴを優先して報告や提言をしている」ケースがあります。

「中途半端な知識は無知より怖い」と言いますが、DXはまさにそうした事態が起こりやすい典型的な例なのかもしれません。

▼参考記事▼
※1 SIベンダーを中抜きすればDXできるのか?そんなに甘い話は転がっていない
(引用元:日経COMEMO 2020年11月29日配信)


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
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