人工知能と検索 エンジン


今年も話題の人工知能

引き続き世の中では人工知能の話題が豊富です。
今月に入ってからも、人工知能ラボを設立!っていうニュースがたくさんありました。

さて、人工知能には様々な活用用途が期待されています。

話題性でいうとやっぱり画像認識ですが、これは以前も触れたようにマネタイズがなかなか難しい面があります。
あとはIoTあたりも話題性が高いですね。

当社はECソリューションの会社なのでその周辺でいうと、レコメンドとかマーケティング・オートメーションとか広告入札あたりの話題を目にします。

まあ元々機械学習が活用されていた分野が、そのまま人工知能というキーワードに置き換えられたケースも多いとは思いますが、逆にいうと「人工知能を導入」っていう発表があるケースは以前は機械学習すら使っていなかったということでしょうか。

それはそれで不思議な気はします。

ECにおける検索とレコメンドの本質

当社の製品でもレコメンドエンジンは主力ですが、ナンバーワンなのは検索エンジンです。

私が思うにレコメンドエンジンよりは検索エンジンのほうが重要なのですが、レコメンドエンジンのほうが話題性があるせいか、最初にご相談いただくのはレコメンドのほうが多いです。

ただ検索の改善というのは機会損失を防ぐもの、レコメンドというのは超過収益を狙うものなので順番とすれば検索が先なのです。

欲しいものが見つからない状態なのに、合わせ買いに力を入れるのはおかしな話です。

こうしたコラムや寄稿記事、またセミナーなどでも常々言っているのですが、ECにおける検索とレコメンドというのは本質的に同等です。
ユーザーにピッタリの商品をオススメするためのものです。

これを「商品検索」といいます。

商品検索の中に検索とレコメンドがある(検索というキーワードが重複している)のでわかりずらいためあまり商品検索というキーワードは一般的ではないですが、他に適切なキーワードがないのでわりと説明に困ります。

ユーザー行動と商品検索

検索とレコメンドの違いについて考えると、検索は検索クエリをトリガーとするもの、レコメンドは購買履歴などの行動履歴をトリガーとするもの、という違いもありますが、一番の違いはユーザーが能動的かどうかです。

検索とレコメンドの比較

検索しているときのユーザーは「商品検索をしている」ことがハッキリしています。
買う気が高いということです。

一方レコメンドというのはユーザーが能動的かどうかはなんとも言えません。
しいて言えばカートに商品を入れた時に行うレコメンドは買う気が高いと言えるでしょう。

ただこの場合でも検索はメインの商品、レコメンドはサブの商品というように、能動的な度合いには違いがあります。

プリンタを買うときにインクを買うことはあっても、インクを買うときにプリンタを買う人はいません。
合わせ買いはたいてい、合わせて買う商品がメインとサブに分かれるのです。

またレコメンドマーケティング・オートメーション、かご落ち対策、これらは検索より能動的な度合いでいうと低い可能性が高いといえます。

検索・レコメンド・マーケティングオートメーション・カゴ落ち比較

買わないもの、買わなかったもの、買わないかもしれないものに注力するのは、最も能動的なアクションである検索からのコンバージョンを改善した後に取り組むべき課題だと言えます。

検索アルゴリズムにおける人工知能活用

ではなぜ 人工知能と検索 という組み合わせがあまりないのかについて考えてみると、これはやはりECにおける検索は本質的にオススメというアプローチがあまり浸透していないからではないかと思います。

つまり、検索というのはユーザーがいれた検索条件に従えばいい、という勘違いをしているということです。

商品名を間違えたら0件ヒット、値段が1円でもずれたら0件ヒット、お店の最寄り駅を間違えたら0件ヒット、それは正しい挙動なのかというと明らかに間違いです。

ECにおける検索エンジンというのはお店における店員と同じです。
まあそれはレコメンドも同じなのですが。

ユーザーに商品をオススメする、しかもパーソナライズされたオススメを行うインターフェースとして考えればわかりやすいでしょう。

ユーザーの間違っているかもしれない、曖昧な検索条件に対して、適切な商品を出力するというのは十分に人工知能の活用の余地がある分野であるといえます。

人工知能と検索エンジン

また前々回の記事で人工知能と特徴量の関係について触れましたが、検索には「検索クエリ」という明確な入力があるために、検索クエリ自体と検索処理の両面において改善が期待できるというのも検索と人工知能の相性が良い点の一つだと言えるでしょう。

Googleは昨年、検索アルゴリズムにRankBrainという人工知能を活用したテクノロジーを導入したと発表しました。

インターネット検索とEC商品検索という違いはありますが、検索アルゴリズムに人工知能が活用されるというのはもう数年もすればごくごく当たり前になっていると思います。

もちろん当社としては、その先鞭をつけられるように、引き続き頑張っていきたいと思います。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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