EC商品検索・レコメンドで接客を実現 するための重要ポイント


 

接客

前回は、ECサイトにおいて接客のような検索・ レコメンド を実現するために必要な要素として

1. 商品を知る
2. お客さんを知る
3. お客さんと商品のマッチングを考える
4. 商品を提案するタイミングを考える
5. 継続的な改善

を挙げ、そのうち1と2について解説しました。

今回は3と4について説明したいと思います。

[要素3]お客さんと商品のマッチングを考える

お客さんと商品のマッチングについて考えるとき、2つのハードルがあります。

1つは、お客さんと商品を完全に理解していたとして、良いマッチングはできるのか、というハードル。

もう一つは、どこまでお客さんと商品を理解できているのか、というハードルです。

つまり上記の1-5で言えば、「マッチングを考える」という3だけのハードルと、3の前提となる「商品とお客さんを知る」という1と2のハードル、ということになります。

そしてこれらは因果関係を持っています。
1と2についてどこまで知っているかによって、3をどうするかが変わってきます。

前回述べたように、商品についてはそれを売っているのですからそれについては知るしかありません。必要十分でいえば「必要」なことです。

ところが一方でお客さんについては、完全に知るということはほぼ不可能です。店舗におけるすごい常連さんとかであればできるかもしれません。そしてECは店舗と比較してさらにお客さんを知るハードルが高いのは、前回の記事の通りです。

もちろんそれは実店舗においてもそうなのですが、ECの場合には「お客さんを知る努力をする」→「知りえたお客さんについての情報を用いてベストなマッチングを目指す」という流れがより重要だということになります。

この2と3については、ある意味商売の本質とも言える部分であり、特に小売業であればこの2つをどう高めていくかということがまさにそのままビジネスの中核となります。

あとは仕入れと広告ですね。

[要素4]商品を提案するタイミングを考える

さてここで、ECの場合にはそのマッチング内容をサイトにおいてどうお客さんに提示するのかについて考えてみます。

おおむねそれは、ナビゲーション、検索結果、レコメンドくらいなのではないかと思います。サイト内にこだわらなければ、広告やメールも含まれてきます。この「サイト内にこだわらなければ」という部分は非常に重要ですので、また別の回で取り上げる予定です。

ナビゲーションは店舗でいえば陳列にあたります。
検索結果とレコメンドは接客にあたります。

相談されて応えるのが検索、近づいていってオススメするのがレコメンドでしょうか。

ナビゲーションと陳列の違いは、パーソナライズできるかどうかです。

陳列は誰が見ても同じ配置ですが、ナビゲーションは訪問者によって変化させることができます。

ただ、ECの場合でもナビゲーションというのは比較的ゆるやかなパーソナライズをすることが多いと思います。もちろん商品のジャンルにもよるのですが、商品というのはだいたい「万人向けのもの」と「個人差が大きい物」があるものです。

このうち万人向けのものは陳列=ナビゲーションで提案し、個人差が大きい物は接客=検索・レコメンドでオススメするほうが一般的だと思います。

また個人差が大きい物の中でも、「その人には常時オススメできるもの」と「今こそオススメしたいもの」があります。

つまりECにおけるパーソナライズというのは「誰に」だけではなく「いつ」もまた重要な要素となるのです。

パーソナライズ

店舗にくらべてECはお客さんを知るのが難しいですが、この「いつ」についてもECは知るのがなかなか難しいといえます。

ECで「いつ」を知る大きなチャンスは「検索した瞬間」か「カートに商品を入れた瞬間」です。

この2つのタイミングは、それ以外に比べて明らかに「購買意欲が高い」ということが言えるからです。特に「検索した瞬間」は重要です。

カートに商品を入れた瞬間というのは、すでに目的を達成している可能性があります。
商品をオススメするマッチングロジックとしては、合わせ買いやより良い選択肢の提示などでしょう。

これに対して「検索した瞬間」というのは、購買意欲が高い上にまだ目的の商品に辿り着いていない可能性が高いと言えます。
お店に例えれば、お客さんのほうから店員に相談に来たタイミングであり、お店としては最も重要なチャンスの一つであるといえます。

接客を実現するための重要ポイント

1と2についてどこまで知っているかが3に影響しますが、3はさらにそれをいつ提案するかという4とも重要な関係性があるということです。
そしてECにおける商品検索というのは、入力としての2、出力としての4に大きく関わっています。

前回の記事で「検索は入力として重要なチャンス」と書きましたが、実は「検索は出力としても重要なチャンス」なのです。

であるにも関わらず、まだまだECにおける商品検索というのはおろそかにされているケースが非常に多いのが実状です。

「検索したキーワードにマッチしないと出ない」「検索した金額の範囲に合致しないと出ない」など、基本的には「検索条件に合うものしか表示されない」ケースがほとんどです。これを「あたりまえじゃないか」と思ってはいけません。

ECにおける商品検索というのは、「検索条件に合致したものを出す」のではなく、「検索条件に基づくものを出す」ものなのです。

ではECにおける検索はどう改善していくべきかについて、次回以降でさらに解説していきたいと思います。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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