リテールメディアテックの本命、サイト内検索連動広告とは?


ZETA ADとデクワス.LISTING

先日、ZETAとデクワスのシナジーを活かした新製品としてデクワス.LISTINGを発表しました。(※1)

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▼プレスリリース
※1 『デクワス.LISTING』を提供開始 ~リテールメディアテックを実現する検索連動型広告ソリューション~(2022年7月22日配信)

▼関連コラム記事
事業ロードマップ戦略とその製品化(2022年7月27日配信)
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以前からZETA CXシリーズの中にZETA ADという製品があり、すでにリテールメディア向けにサイト内検索連動広告の機能としての製品は存在していたのですが、ZETAの場合、広告の受注をしてきて在庫とするようなチーム・リソースはないため、その部分についてはネット広告事業を手掛ける他社と連携する前提での製品でした。

そうしたネット広告の営業・運用・配信機能をもつサイジニア・デクワスとの経営統合により、ZETA ADとデクワスの広告事業およびシステムを連携させたものが「デクワス.LISTING」ということです。

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【ZETA AD ×デクワス.LISTING連携図】

注目を集める「リテールメディアテック」

本コラムや登壇、またサイジニアの決算説明資料などにおいて、たびたび「リテールメディアテック」というワードについて解説してきましたが、ここで改めてその意味について簡単におさらいしてみます。

基本的にはブランドやリテールの各企業がユーザーとエンゲージメントするためのアプローチの一つがリテールメディアテックです。
ですので当然ながらこれはCX(カスタマーエクスペリエンス)の一部であり、CXを高めていくための取り組みとしては特殊なものではありません

なぜ今リテールメディアテックが重要なのかというと、それはひとえに3rd Party Cookie(3PC)規制という大きな流れがあるためです。
ネットにおける個人情報保護の流れというのは大変重要なテーマであり、今後こうした取り組みを抜きにしてネットサービスの発展というのは望めません。

90年代は暗号化されていないHTTP通信や、大変脆弱な暗号強度のHTTPS通信でクレジットカード情報を送信していたり、またパブリックIPで接続したPCを使用していたりもしましたが、すでに社会のインフラとなったネットにおいてはいかに個人情報を保護し、様々な脅威からユーザーを守るかというのは企業が果たすべき大きな役割の一つだと言えます。

ネットの発展というのはやはりWebという概念およびサービスの登場によるところが大きいと言えますが、WebにおいてはCookieという大変便利な実装が登場し、デジタルマーケティングにおいてもCookieは大いに活用されてきました。
ネットの急速な発展によって、アクセスしているサイトが発行するCookie(いわゆる1st Party Cookie)はともかく、3PCというのはユーザーが意図していないサイト(ドメイン)に情報を渡してしまうという側面が問題となったのは、自然な流れと言えるでしょう。

しかしながらこれまで、ブランド企業・リテール企業はデジタルマーケティング、特にネット広告においては3PCを大いに活用して広告配信をしてきました。
広告というのはパーソナライズされるほうが効果が高いので、広告の中でもいわゆるリターゲティング広告が躍進してきましたが、このリターゲティング広告が個人情報保護という観点で大きな問題となった、というのが3PC規制における一連の流れです。

実際私も、どのサイトにいっても同じ広告にずっと付きまとわれて閉口したケースがたびたびあるのも事実です。
ネット広告もユーザーが求めている情報を配信するのであればこれは良いものなのは間違いないですが、ネット広告の良い面悪い面というのは表裏一体であり、良い面だけを取り出すというのは簡単ではありません。
とはいえ広告というものは今後もユーザーが求めるデジタルマーケティングの重要なタッチポイントであり、せっかくなら自分が求める情報や、知って嬉しくなるセレンディピティを届けてほしいというのもまたユーザーが求める機能ではあるでしょう。

リテールメディアと検索

ちょっと前置きが長くなりましたが、要は「これまでのような単なるリターゲティングから、よりユーザーが喜ぶような広告へと進化していくにはどうすればいいのか」という観点から発生したのが、リテールメディアテックです。

リテールメディアテックは、すなわちリテールメディアにおける技術ですから、まずはリテールメディアについて考えてみることが重要です。

リテールメディアの代表例といえば、もちろんこれはAmazonです。
ユーザーはAmazonで買い物をするとき、結構な頻度で検索という行為からAmazonというサイトの巡回を始めるのではないでしょうか。
このコラムやMarkeZineなどでも解説したように、検索というのはECサイトにおける接客を担う大変重要な機能です。

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▼自社コラム
ECにおいて”0件ヒット”はNG!良質な UX を生み出す商品検索とは?(2015年2月3日配信)
サイト内検索 マーケティングと CRO(2018年4月6日配信)
EC商品検索の難しさ(2018年7月18日配信)
マーケティングと検索の深い関係(2021年6月10日配信)

▼記事(MarkeZine / ECzine)※外部サイトに遷移します
「サイト内検索」がECを変える!「スピードとおもてなし」に大手ECも熱い視線を注ぐ、ゼロスタートの「ZERO-ZONE Search」(2013年8月20日配信)
“あざとい広告”依存のビジネスは生活者に見抜かれる ZETA山崎氏と考える広告とCROの有機的な接続(2021年7月1日配信)
それでAmazonと戦えますか? 今さら聞けないスマホ時代の「商品検索」選びの基準(2017年11月20日配信)
CX向上は必須機能の見直しから OMOを支えるECサイトのあるべき姿とは(2019年12月17日配信)
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デジタルマーケティングを仕掛ける大きなチャンス

ユーザーがECサイトにおいて検索という行為をするときは、間違いなく商品を探しているときであり、また商品群の表示を歓迎しているタイミングでもあります。
加えて検索クエリというのは、その瞬間にユーザーが見つけたいと望んでいる商品にたどり着くための手かがりの宝庫だと言えます。
検索キーワードはもちろんですが、ドリルダウン項目やソート項目も、こうしたユーザーの興味関心を詳細に表現しています。

ブランド企業のECサイトであれば、ユーザーは基本的にはそのブランド企業の製品を探しているのだと言えますが、リテールECサイトの場合にはどのブランドが良いかも含めて、商品情報を探し求めているといえます。
このリテールECサイトがすなわち、リテールメディアの大きな部分を占めています。
もちろん独立したクチコミサイトや比較サイトなどもリテールメディアなので、リテールEC=リテールメディアではありませんが、現在のところリテールメディアといえばその代表格はリテールECサイトということになります。

ユーザーが商品情報を積極的に探し求めているタイミングでもあり、またユーザーの興味関心の大きなヒントとなる情報を得られるのがリテールメディアにおけるサイト内検索なのですから、これは当然、デジタルマーケティングという観点でいえば大きなチャンスであることは言うまでもありません。

そもそもECサイトではないインターネット検索においても検索連動型広告(リスティング)は大変有用なものですが、ECサイトというのはユーザーが購買行動をしている真っ最中なのですから、インターネット検索よりもはるかに、デジタルマーケティングを仕掛ける良いタイミングだと言えるでしょう。

次回は、Amazonなどの事例も引用しつつ、リテールメディアテックとサイト内検索連動広告の深い関係、そして3PC規制後のデジタルマーケティングの流れについて、より詳しく解説してみます。


■関連コラム■

コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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