レビューはストリームでもありアーカイブでもある


購買における判断要素の1つ

先日東洋経済で以下のような記事が掲載されていました。

「アマゾンの制裁で会社を潰しかけた36歳の告白」

記事の趣旨自体はAmazonと出品者の関係ですが、そもそもこの一件が出品者にとって大変大きな出来事であったことは、下記のコメントに集約されています。

レビューのついた商品ページは、出品者にとって貴重な財産なんです。”※1

レビューという財産がなければ、停止された既存アカウントでも新規に作成したアカウントでもそこまでの差はなかったのかもしれません。
当社のレビューエンジンも、導入いただくと多くのケースで「予想以上の効果」というコメントをいただきますが、それくらいレビューというのは購買の判断において重要な情報となってきているのだと思います。
2006年にWeb2.0がもてはやされ、mixiを始めとするSNSが大きな注目を浴びていた頃になにかの取材で、「これからはSNSだけではなくニュースサイトやECがソーシャル機能を持ちメディア化していく」ということを予想したことがあります。

今となってはニュースサイトにコメントがつくことは当たり前になってきていますし、ECもレビューの実装例は着実に増えてきています。

 

レビューという財産

レビューという財産

ところでレビューというのは、オウンドメディアとアーンドメディア(ソーシャルメディア)をまたぐ数少ない貴重な情報です。
レビューというとECっぽい響きが強いですが、口コミとか評価とか感想など、「何かに対する自分の意見」全般で同じことが言えると思います。
ところでこうしたレビューなどの情報は、オウンドメディアにおいてはアーカイブ(蓄積していく)情報として扱われるケースがほとんどだと思います。

一方でアーンドメディアにおいては、アーカイブでもありますがむしろストリーム(TwitterやInstagramのように流れ続けるような)情報としての意味合いの方が強くなります。

ストリーム的な情報(Twitterの投稿など)はその即時性が重要ですが、アーカイブ的な情報というのは冒頭の記事のように一旦なくなってしまうと取り戻すのが大変な「資産」であるといえます。

ちなみにTwitterの場合には投稿はストリームでもフォロワーというのはアーカイブということができます。

私はEC(物販だけでなく予約とかも含めて)においてレビューが重要になる流れというのは止まらないと思っていますが、いざレビューが当然のようになり、逆にレビューがないサイトはCVRが上がらないという時点で慌ててレビューを導入や実装しても、ストリームとしてのレビューはすぐ立ち上がりますが、アーカイブとしてのレビューがまさにサイトの資産となるまでにはそれなりの時間がかかってしまいます。

進むメディア化

とある海外イベントのセミナーで言われていたように「消費者は企業の3倍、他の消費者を信用する」のは、自分をいち消費者として考えてもまさにそのとおりだと思いますし、また「ハッピーな消費者は最高のマーケター」というのもまさにそのとおりだと思います。

過去にステマがあれだけ批判を浴びたのは、そうした点を逆手に取っていたからに他なりません。

いち消費者としての感想だと思って参考にしていたら、実は広告費の発生するペイドメディアだったわけですからバッシングされるのも当然だと言えます。

ただ一方でレビューというのは、将来私は広告がつくメディアになるとも思っています。

「ハッピーな消費者は最高のマーケター」なのですから、有益な(ステマではない本当の)レビューがあれば、メーカーやリテールが広告をそこに貼りたいと考えてもなんら不思議ではありません。

YouTubeでYouTuberがいろいろな商品のレビュー動画をアップして広告収益を稼いでいますが、そうしたもともと広告収益を狙ったレビューではなく、自分で買って気に入ったから書いたレビューというのは、ある意味オーガニックレビューとも言えるような貴重なコンテンツだと言えますし、そうしたロングテールコンテンツを集めていけばそれはおそらくかなり魅力的なメディアとなることでしょう。

ハッピーな消費者は最高のマーケター

OMOのキラーコンテンツ

当社のレビューエンジンは「ZETA VOICE」という名前で販売されていますが、ZETA VOICEを経由して投稿された各ECサイトのレビューは、「VOICE」というレビューメディアとして集約していく予定です。

画像ストリームであるInstagramのように、レビューストリームであるVOICEを眺めていれば、そこで気になる商品を見つけたり買いたくなったりすることは十分ありえると思いますし、そのレビュー自体はそもそもZETA VOICEを導入しているECサイトの商品とか予約プランのレビューなのですから、ランディング先をどうするか悩むこともありません。

ECサイトにとってVOICEは、自社のECサイトレビューは必ず自社に流入してくる外部の口コミサイト、ということになります。

さらに、いまはレビューというのは商品ページ上のコンテンツとして扱われていますが、これも近い将来、商品ページにレビューがぶら下がっているのではなく、レビューコンテンツに商品ページがぶら下がっているという逆転現象も、ジャンルによっては起こると思っています。

一つの商品ページに10個のレビューがあったとして、その各レビューごとにその商品の購入ボタンがついているような状態になれば、そのレビューはもはやアフィリエイトでもあるということになります。

レビューのメディア化こそ、これからのECのキーポイントでもあり、OMOのキラーコンテンツになると思います。

▼参考記事▼
※1 アマゾンの制裁で会社を潰しかけた36歳の告白
(引用元:東洋経済オンライン2019年11月26日配信)


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コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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