アクションとデータとパフォーマンス


デジタル マーケティング におけるアプローチ

当社はEC マーケティング ソリューションを展開していますが、その主力はサイト内検索レコメンドです。

また、これからの成長が期待できるのは広告最適化です。

たとえば広告最適化については、DMPとなかなか区別しずらい部分があります。

区別しずらいというか、重複しているというほうが正解でしょう。

サイト内検索もしくは商品検索については、一般的には検索条件に合う商品を表示する、という認識だと思いますが、当社の製品は検索というアクションに対する商品提案というスタンスです。

検索連動広告ならぬ検索連動商品提案といった感じでしょうか。

そして、商品提案ということは必然的にレコメンドとかぶってきます。

当社はそのどちらも提供しているわけですが、検索連動かそうでないか、というのは結構大きな違いです。

昨年からのちょっとしたバズワードとして マーケティング オートメーションやWeb接客というものもありますが、これらも商品提案としては重複してくる部分があると言えますし、逆に当社のレコメンドマーケティング オートメーションの一部としてご利用されているお客様もいらっしゃいます。

このように、デジタル マーケティング に関するアプローチというのは、少しずつ重なり合っているものです。

デジタルマーケティングアプローチ

ECサイトで最もシビアなフロント機能の一つである検索

当社がその中核に置いているのは検索ですが、これは珍しいと思います。

その理由の一つとして、検索というのは苦労するわりに高く売れない、という点が挙げられます。

ECサイト内検索というのは、システムとしてのパフォーマンス、スケーラビリティ、ポータビリティが非常に重要です。

ダウンは許されないのはもちろん、検索した瞬間のリアルタイムの価格や在庫を反映していなければなりませんし、「商品提案」というスタンスを取るのであれば検索した瞬間に購買履歴やディスカウント率なども織り込む必要があります。

おそらくECサイトのフロント機能としては最も要件がシビアなものの一つではないでしょうか。

もちろん、商品提案というスタンスを織り込まなかったり、最新のデータを反映しなくて良いのであれば、かなり話は違ってきますが。

要件がシビアなわりに、検索というのは マーケティング ツールという認識があまりないため、導入に際して マーケティング 費用=投資というよりも、コストという扱われ方をすることが多く、このため提供する側としては「現時点では」苦労する割に儲からない分野という感じがしており、これが検索を マーケティング ソリューションの中核に置く企業があまりいない理由ではないかと思います。

当社の検索エンジンが年間に処理する総クエリ数は、確認できているだけで200億を超えます。

確認できているだけでなので、実際にはもっと多いと思いますが、この200億というアクションというかトランザクションが マーケティング 費用として扱われると、もっと儲かるジャンルになるかもしれませんが、そうなると新規参入してくる企業も増えるかもしれません。

ECサイトで重視されるもの

ただ、EC向けの検索というのはテクノロジー的に本当に敷居が高く、そう簡単に高いパフォーマンス、スケーラビリティ、ポータビリティを確保することが出来ません。

実際、お客様が他社のエンジンから当社のエンジンにリプレースして、数十倍高速化されたというケースは多々あります。

EC向けのサイト内検索エンジンを主力製品として提供し始めてもう7年になりますが、その間にも何社か新規で参入した企業はありました。

ただ、いつも半年ほどすると、検索エンジンを主力製品から外してしまったり、あまり性能を問われないローエンドにフォーカスを移してしまいます。

それはおそらく、実際に導入やトライアルになると「割にあわない」と思うのではないかと推測しています。

実際、必要な性能との比較でいえば、DMPや マーケティング オートメーション、Web接客などのほうが「割がいい」とは感じます。

受託のような提案も出来ますから、単一の案件で数千万から億というケースもありうるのではないかと思います。

これらに比べると、レコメンドはもう受託のような提案は難しいので、だんだん提供する企業が減ってきている気もします。

どんなソリューションも、登場当初の頃は提供側にとって「うまみ」があり、だんだんそれが薄くなっていくのは世の常です。

その理由として、重視されるものが「アクション」から「データ」に移っていく、そして「パフォーマンス」が重要になっていく、というものがあります。

ECサイトの本質的な機能は商品提案

ECサイトの マーケティング ソリューションとして使うのであれば、基本そこで要求されるのは商品提案です。

アクション・データ・パフォーマンス

それが最初は「どう」提案されるかで始まり、そのうち「なにがどう」提案されるかに変わり、そして「なにがどう高速に」提案されるかに変化していきます。

「どう」提案されるかは、すなわち商品提案のアクションは、マーケターやエンジニアにとっても考えるのが楽しいものです。

たとえば離脱しようとしたらクーポンが表示される、などです。

全ユーザーに無条件に出せばいいのでパーソナライズも不要です。

アイデアの比率が高いと言えます。

「なにがどう」提案されるか、すなわちアクション+データになると、エンジニアの役割が重要になってきます。

たとえばクーポンの配信先を選定し不要なユーザーには配信しない、などです。

ロジックの比率が高いと言えます。

だいたい楽しいのはここまでで、その先、すなわちアクション+データに加えてパフォーマンス(とスケーラビリティとポータビリティ)が重要になってくると、これはむしろ大変な面のほうが大きくなってきます。

インフラの比率が高いと言えます。

当社はデータ+パフォーマンスに軸足を置いています。

私がずっとインフラエンジニアだったということも関係あるかもしれません。

見た目ウケるのはアクションなのは事実ですが、そこは楽しい部分であり、取り組む企業も多いことから、自社でやるよりは他社と提携するほうが良いと思っています。

また、アクションは次から次に登場するので、ずっとキャッチアップをしていく必要がありますが、データすなわちロジックは過去の蓄積が活かせますし、インフラにいたってはテクノロジーは必ず過去の延長線上にあります。

地味で大変だけど、やりがいがあるのも事実です。

今後もこの路線で頑張っていきたいと思います。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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