サジェスト とレコメンド


今回は サジェストレコメンドについてです。

サジェスト の進化

そもそも サジェスト は提案という意味ですから、言葉の意味でいうと サジェスト とレコメンドというのはかなり似た言葉ではあります。

ただ日本だと、 サジェスト というとキーワードボックスの自動補完のことを指すケースがほとんどです。

いわゆるオートコンプリートです。
数文字入力すると、前方一致でありえそうなキーワードの候補を サジェスト するというものです。

ところが最近、一部先進的なサービスでは サジェスト がむしろ本来の意味の サジェスト (=レコメンド)を目指すような動きが活発になってきています。
単なるキーワード サジェスト ではなく、UX(体験)の サジェスト への進化であるといえます。

UXの サジェスト とは

私が現状一番良く出来ていると思う サジェスト の一つがFacebookです。

最近ではフォーカスするだけで最近の サジェスト からクリックした友達やページの候補を表示します。
何も入力してはいないので、もはやオートコンプリートではありません。
また、前方一致ではありますが何か一文字入れた時の サジェスト 内容は実に的を得ています。
Facebookではエッジランクという概念でユーザー毎の関連度を計算していますが、そのロジックたるやかなりの精度だと言えるでしょう。

もちろんGoogleの サジェスト も良く出来ています。
そもそもキーワード サジェスト の第一人者であると言えるでしょう。
特にGoogleでは関連ワードの サジェスト の精度が高いといえます。

google&Facebook

奇しくもこの2社は、前回の記事で書いたディープラーニングで最先端を行っている2社でもあります。
これは偶然ではなく、膨大な量のデータから有意な関係を見出すところに注力しているという点で共通しているためです。

ECにおける サジェスト の役割

そしてもちろんECでも、今後 サジェスト の役割というのはかなり変化していくことが予想されます。

ECの場合のUXというのは、買い物や予約です。
つまりECにおいては、 サジェスト は単なるキーワードから、商品やサービス、プランへと進化していくということです。

サジェスト というのは検索結果より一歩手前でユーザーにアプローチできます。
検索結果自体をマーケティングするのが有効なように、 サジェスト の内容もマーケティングすべきなのです。

たとえば、aと入力されたときに単にaから始まるキーワードを辞書順に表示するというのは、相当な機会損失であるといえます。
ところが実際のところまだまだこういったECサイトは存在します。
サジェスト があるだけマシかもしれません。

まず、aで始まるキーワード自体パーソナライズの対象となります。
行動履歴や流入元、登録されたデモグラフィック情報なども活用すべきです。
特に サジェスト の場合、キーワード履歴というのはかなり有望なパーソナライズのための情報となります。
またそもそも、 サジェスト する対象がキーワードであるべきなのか、という点も重要です。

サジェスト とはレコメンドすること

Googleのようないわゆるインターネット検索の場合、検索対象が多すぎることとそもそもページに名前が付いているとは限らないので サジェスト されるのはキーワードでも良いのですが、ECの場合にはユーザーが探しているのは「お金を払う商品やプラン」で、これには必ず名前が付いています。

FacebookにおいてはURLに必ず人物名かページ名が付いているのと同じです。
そうであれば、入力された文字からキーワードを サジェスト するのではなくて、商品自体を サジェスト してしまうほうが良いケースは充分に考えられます。

こうなると冒頭に書いたように「本当の意味の サジェスト (提案)=レコメンド」であるといえます。

キーワードではなく商品を サジェスト する場合、 サジェスト →検索結果画面→商品という遷移ではなく サジェスト →商品という遷移となるので、離脱率の低下やコンバージョンの向上が見込めます。

他にも、 サジェスト するのが商品の場合、商品画像が表示できるというメリットもあります。
サジェスト に画像を表示するというのは、特にアパレルなどで当社でも実装する事例が増えていますが、やはり単なる文字列より視覚的効果によりユーザーへの訴求は高くなります。

サジェスト におけるマーケティングの例

とここまで書いてみると、 サジェスト におけるマーケティングがいかに検索結果におけるマーケティングと本質的に同じかがわかるかと思います。

サジェスト も、パーソナライズして商品をレコメンドする場の一つなのです。
また関連情報を表示するのも有効なアプローチです。

例えばネットスーパーであれば、食材の サジェスト とともに、その食材のレシピを サジェスト に表示するというのは効果的なアプローチでしょう。
アパレルであれば、ジャケットとともにそのジャケットのコーディネートページを出すなど、基本的に親子関係の親にあたるものは、 サジェスト で表示すると良いケースがあります。

サジェスト しているアイテムと全く関係のない、「ただいまタイムセール中」というようなフラッシュマーケティング的な内容が効果をあげる可能性もあります。

ただ サジェスト の場合、検索結果よりもさらに実装の難易度は高くなります。
クエリがキータイプ毎に送信されますし、結果表示にかかる時間もより短い時間でなければなりません。

高度な検索システムに必要な要素

ZETAの提供するZETA SEARCHは、本来最大の強みはパフォーマンスが高いことです。

それを同時クエリ数といったような単純な指標だけでなく、 サジェスト における高度なマーケティングに活用することができるため、コンバージョンの向上を目指すEC企業様に高い評価を頂いています。

今回は サジェストレコメンドについて解説しました。
また次回も、ECサイトのコンバージョン向上に有効なテーマについて解説したいと思います。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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