後から大きく勝つ事業戦略


サイジニアとの株式交換契約から一年

早いものでサイジニアの社長も兼務するようになって一年が経とうとしています。
本当はこの12ヶ月の振り返りコラムを書こうかと思ったんですが、タイミング的に業績の数字についてはまだ言及できないので、それでは片手落ちということもあり、振り返りは決算開示の後に存分に書いてみたいと思います。

さてZETA CXシリーズは今の所、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」OMO・DXソリューション「ZETA CLICK」などで構成されています。
これら以外に、以前から構想をあたためている製品も2つほどあるのですが、それとは別に今日また一つ新しい製品構想が固まり、多分こちらを先にリリースすることになりそうです。
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ハイエンド特化という狙い

ZETAの特徴というか私の事業構想の特徴として、タイトルにあるように「後から大きく勝つ」というアプローチがあります。
武道で言う「後の先」とはまた違いますが、うまく行けば行くほどより成功の度合いが高くなる事業が好ましいと考えています。

例えば「ZETA SEARCH」は、比較的序盤から「ハイエンド特化」という狙いで製品開発・販売を行いました。
当然当初は実績がないので、事例を増やすのはなかなか大変で事業としての損益分岐点を超えるまでには5年くらいかかったのではないかと思います。
一方で損益分岐点を超えた後は、利益率が一気に改善し、それが加速しています。

またハイエンドの商品検索エンジンというのはなかなか大変なもので、当初はノルウェーに本社があるFASTという検索エンジンが強く、またGoogleもGoogle Commerce Searchというエンジンを提供しており、これらにブランディングで勝つのはなかなか大変でした。
ところがFASTはMicrosoftに買収され今はサイト内商品検索ではなくエンタープライズ検索にシフトし、またGoogleはGoogle Commerce Searchを終売としたことなどもあり、ハイエンドターゲットの商品検索エンジンを提供するソリューションベンダーはほとんどいなくなってしまいました。
ハイエンド製品であるため、EC市場が伸びれば伸びるほどその需要が高まるということと、プライシングが高いため必然的に厚利少売となるため、自社のマーケティング施策が展開しやすいというメリットが生まれています。

一般的には薄利多売のほうがマーケティングが展開しやすいのではないかと思いますが、ことB2Bのデジタルマーケティング製品においては薄利多売でのマージンでマーケティング費用を吸収するのは、なかなか大変ではないかと思います。

ZETA SEARCHに続く主力製品になりつつあるZETA VOICEも、とある利用条件があるため、販売開始してから3年ほどは全く実績が出ませんでしたが、ここ2年ほどで一気に実績が積み上がりつつあり、当初からの目論見通りその「とある利用条件」が今後のビジネス展開において相当他のデジタルマーケティングソリューションベンダーに対する強みになりそうです。

変化の激しいデジタルマーケティング業界向けの製品展開

新規事業や新規製品を企画する際、初速を上げたいというか滑り出しをスムースにしたいというモチベーションは、それは私を含めあらゆるビジネスパーソンが思うことです。
ただその初速が、「後で不利になる」という要素がなければ全く問題ないですが、初速を上げることは後で不利になるというか、後から取れる収益が低くなるというケースが大半です。
もちろんZETA SEARCHが順調で、強いビジネス基盤を作れているため、というのはもちろんありますが、状況が許す限りは、現時点では勝てば勝つほど勝ちやすくなるという展開を選択していきたいと考えています。

コロナ禍によるECシフトからの反動による落ち込みや、ポストクッキーによる広告事業全体に大きな影響を与えそうな動向と、デジタルマーケティング業界は気の抜けない状況が続いていますが、その中でもZETA CXシリーズの実績は大変好調に推移しています。
先日はアパレルECサイトTOP50のうち16社に採用されているというデータ(※1)、そして最近ではネット通販TOP100のうち28社に採用されているというデータ(※2)を公表しましたが、実績が増えれば増えるほどより増えるというスパイラルを今後も伸ばし続けるとともに、そうした強みを活かして新たな製品展開も積極的に仕掛けていく予定です。

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▼自社配信プレスリリース
※1 マーケティングソリューション「ZETA CXシリーズ」はファッションアパレルEC売上高ランキングTOP50サイトの16社に導入されています(2021年12月1日配信)

※2 ネット通販売上高ランキングTOP100サイトのうち28社がマーケティングソリューション「ZETA CXシリーズ」を導入(2022年6月28日配信)
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今後のグループ事業戦略

ZETAではなくサイジニアのトピックとして中期経営計画の策定と公開というものがありますが、そちらについても鋭意検討していますので、早めにリリースができればと思います。

今が市場としても変化が激しいタイミングであり、またサイジニアグループ、特にZETAの事業戦略自体も大きな変化点を迎えつつありますので、なかなか中期経営計画に落とし込むのが難しいのは事実ですが、やらないと始まらないのも事実なので、優先順位は高いトピックです。

ZETAはすでに17期に入って1ヶ月、そしてサイジニアは18期に入る直前ですが、今後とも宜しくお願いいたします。
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コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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【CX向上生成AIソリューション ZETA CXシリーズ】

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