検索の 入力 と出力の重要性


サイト内検索レコメンドの費用対効果

これまでもたびたび触れていますが、当社の主力製品はEC向けサイト内検索エンジンレコメンドエンジンです。

この中でも特に、サイト内検索エンジンの占める比率が7割以上となっています。

一般的には検索エンジンよりもとレコメンドエンジンのほうが注目度は高いと思います。

実際、最初に当社にお問い合わせ頂く内容はむしろ検索よりレコメンドについてのほうが多いのが実情です。

レコメンドでお問い合わせを頂く場合、当たり前ですがお客様の目的は売上アップです。

ですがほとんどのECサイトにおいては、良質なレコメンドによってアップする売上より、良質な検索によってアップする売上の余地のほうがはるかに多いのです。

このため順番としては、まず検索を改善し、そのあとにレコメンドに取り組むほうが、より費用対効果は高いといえます。

なぜ検索のほうがレコメンドよりも効果が出やすいかというと、それは検索の 入力 と出力の明確さに一因があります。

検索というのは、検索している状態をユーザーが認識しています。

これが 入力 ・出力において大変重要な点となります。

ユーザーインサイトを反映する 入力 情報

入力情報

まず 入力 ですが、これは「検索条件」です。

キーワード、ドリルダウン(絞り込み)項目、並べ替えなどです。

ユーザーは自分の要求としてそれらを入力するため、その条件はかなり正確にユーザーの意思を反映しています。

ユーザーインサイトを把握するのに最も強力なデータの一つは購買履歴ですが、それに匹敵するくらいの重要性を持っているのが検索条件です。

しかも、検索エンジンでは「購買履歴も活用」することができるのです。

ただしこれは、当社のようなハイエンド志向の検索エンジンの場合です。

一般的にエントリーもしくはミドルエンドの検索エンジンの場合は、検索条件にマッチした検索結果を返すだけの実装であることがほとんどです。

もう一つ検索条件で良い点があります。

それは「その時のユーザーインサイト」を表現している、ということです。

購買履歴だけでは、「その時のユーザーインサイト」を反映しているかどうかはわかりません。

一方で検索条件というのは、検索している瞬間のデータなので、間違いなくその瞬間のユーザーインサイトを反映しています。

検索出力情報の重要性

そして出力ですが、これは「検索結果」です。

検索結果はECサイトにおける最高のマーケティングの場となります。

Googleなどのインターネット検索ではお金とリソースをつぎ込んで「どんなキーワードに対してどんな商品を表示するか」に注力しているのに、その流入先のECサイトではおざなりな検索結果を表示しているのでは、広告費をムダにしているようなものです。

サイト内の検索結果は、リスティングと違って費用もかからず、かつその内容も100%コントロール可能です。

これを活用しない手はないのですが、サイト外におけるリスティングはマーケティングとしてとらえていても、サイト内の検索結果はただの一機能としてしか扱っていないケースは多々あります。

本来は何を買うか選んでいるときというのはUXとしては楽しい時間のはずなので、検索結果をマーケティングとして活用するというのはもっと意識する必要があります。

また検索条件と同様、検索結果もまさに表示している瞬間は「ジャストタイミング」であるという点も重要です。

レコメンドはカートに入れた時はそれなりにタイミングは良いといえますが、それ以外はタイミングが良いかどうかは一概にはなんとも言えません。

ECサイトの検索とはWeb接客である

これに対してユーザーが検索した瞬間というのは、かなりの確率でユーザーは購買意欲が高いといえます。

ですからレコメンドは本来、検索結果を表示するときに出すべきで、またわざわざ検索結果と別に出す必要はありません。

レコメンドは「検索結果の中」と「カートに入れた時」に出すのが、良いといえるでしょう。

つまり、検索の 入力 ・出力ともに、ユーザーが商品を探してその意思を伝え、またその結果を欲しがっているという、これ以上ないUIでありUXであるといえるのです。

Web接客

実は恥ずかしながら、私は先週まで「Web接客」という単語が2014年以降流行っていたということを知りませんでした。

元々当社は2013年頃からずっと、ECサイトにおいては接客・おもてなしという概念が重要であり、そのためには検索の活用が欠かせない、という啓蒙をしてきました。

<引用>http://markezine.jp/article/detail/18219

このため「Web接客」というキーワードは当社にとっては当たり前すぎて、逆に注意を払わなかったのです。

ECサイトの検索というのは、まさに店舗でいえばユーザーが店員に相談するという機能に相当するものです。

接客という概念を持ち込むのであれば検索の、それも単純な検索機能ではなくレコメンドという視点も織り込んだハイエンドな検索というのは必須であるといえます。

すなわち店員に相談する内容が検索条件、店員の回答が検索結果なのです。

「企業のホームページは24時間活躍する営業マン」というような表現を聞いたことがありますが、「ECサイトの検索機能は24時間活躍する店員さん」なのです。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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