商品検索 の絞り込みと並べ替え


今回はECにおける 商品検索絞り込み(ドリルダウン)並べ替え(ソート)について考えてみます。

絞り込み検索

商品検索 における「検索」が意味するもの

いわゆるGoogleなどのインターネット検索の場合、使うのはほぼキーワードです。

もちろん「日本語のページを検索」とか「24時間以内」とか「画像」などのドリルダウンはあることはありますが、検索に使われる重要性でいうとキーワードがかなりの比率を占めているといえるでしょう。

これは当たり前の話で、Googleなどのインターネット検索は「Webページという文書(ドキュメント)」を検索するためのものだからです。
ちなみに技術的には、検索対象が文書でなくても文書(ドキュメント)という表現をすることが一般的です。

これに対してECの場合検索するのは商品であって文書ではありません。
このため「 商品検索 」における検索というのは、いわゆる検索(文書検索)ではなく、もう少し意味的な「検索」のことを指していると考えるほうが良いと言えます。

もちろんECにおける商品も商品名などのテキスト情報を持っているのが普通なので、文書におけるキーワード検索という機能は必要です。

ただそれはあくまで一部にすぎません。
このあたりはECの商品カテゴリにも左右されます。
例えば書籍を 商品検索 する場合には、やはり書誌名や著者名などのキーワード検索が有効です。

ECの定義

ところでここでちょっと話が逸れますが、ECもしくはEコマースというのは何が対象かというのも結構紛らわしい話です。

例えばAmazonや楽天などの物販は間違いなくECです。
でも物販以外でも、旅行の予約とかチケットの予約などもECと言っても良いでしょう。

コマースというのは「商取引」ですから、対価を払って何かを手に入れるのはECといえるのではないかと思います。
物販の場合には「品物」が手に入るので一番わかりやすいですが、チケットなども「権利」が手に入るのでまだイメージしやすいといえます。

これがレストランの予約などになると、予約自体に料金は払わないし、料金は実際にサービスを受けた時に支払うのでECというとちょっとイメージが違うかもしれません。
とはいえ、ある意味これも「権利」を手に入れているので、Eコマースすなわち電子商取引の一つと言っていいのではないでしょうか。

絞り込み検索並べ替えが重要となる商材

話を戻しますが、特にこの「権利」を手に入れるようなタイプのECでは、キーワードに加えて絞り込み検索並べ替えが重要になってきます。

例えば旅行の場合、日時や場所というのは絶対に必要な絞り込み条件です。
レストラン予約や航空券なども同じことが言えます。

また権利を手に入れるとはちょっと違いますが、中古車検索や賃貸住宅の検索などもかなりドリルダウンが重要になってきます。

例えば中古車の場合、年式、走行距離、価格、モデル、装備などが必要ですし、賃貸住宅も最寄り駅、駅からの距離、家賃、築年数、間取りなどが必要です。

権利というか、いわゆる「枠」を取るようなタイプの商品では、ドリルダウンが重要になるといえるでしょう。
もちろん物販でも絞り込みが重要なケースが多々あります。

例えばアパレルであれば色やサイズ、テレビであれば画面サイズや機能などは買い物には欠かせない情報です。

検索の絞り込みと並べ替え

絞り込み検索並べ替えの本質

また絞り込みと同じくらいもしくはもっと重要なのが並べ替えです。
よく出来たECサイトでは、標準の並べ替えというのが良く出来ていて、あまり並べ替えをする必要がないケースもあります。

例えばAmazonで何か買う場合、キーワードの入力だけで済んでしまうことは多いのではないでしょうか。
ただもちろんそうでないケースはこれまた沢山あります。
値段順や新着順、評価順などはよく使われますし、値引き額順とかスペックの項目順などもあります。

ここで面白いのが、面白いというかよく考えれば当たり前なのですが、絞り込みと並べ替えというのは本質的にほとんど同じものなのです。

例えば前述した賃貸住宅について考えてみます。
駅からの距離で絞り込む事もあれば並べ替えることもあります。
家賃もそうですし、専有面積、築年数なども同様です。

結局とある条件というかスペックで、それだけに絞ってしまうのが絞り込み、その順に並べるのが並べ替えなので、本質的に似たようなものなのは当然です。
ただ、アパレルにおける色のような、タイプというか種類的なものは、絞り込みでは使いますが並べ替えでは使えません。

ECの重要指標となりうる 商品検索

このようにECの 商品検索 においては、countableというかsortableな項目とそうでない項目があります。

ところで現状のECサイトでは、絞り込みが複数できるのは当たり前になってきていますが、並べ替えが複数できるというのはまだまだ少ないと言えます。

これも考えればわかりやすい話で、絞り込みはその条件にあてはまるかどうかなので条件が重ねやすい(数学でいう集合のようなものです)ですが、並べ替えの場合条件毎に上位下位があるのでなかなか重ねあわせがしずらいためです。

でもそこで諦めずに、うまい並べ替えの組み合わせを実現すると、それは便利な 商品検索 になるのです。

よく出来たECサイトの「標準の並び順」というのは、こういうケースが多いと言えます。
キーワードのマッチ度、評価、金額、在庫などをうまく数値化して合算して並べ替えを実現しています。

ただ、まだまだ消費者が「項目を複数選択したときのうまい並べ替えの組み合わせ」というのはなかなかありません。
逆にいえばここには大きなチャンスがあるということも言えます。

例えば旅行の場合、「値段と値引率と評価の3項目を重視してうまいこと並び替え」のような機能があるととても便利でしょう。

商品検索 においては本質的に絞り込みより並べ替えのほうが重要です。
これは文書検索とは異なる点であるといえます。
商品検索 における並び替え機能の充実度というのは、今後のECにおいて重要な指標になっていくと思います。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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