データへの回帰


海外イベントの潮流

7月にRISEという香港でのイベント、9月にはパリで開催されたParis Retail Weekとドイツのケルンで開催されたdmexcoというイベントに参加してきました。

それらのイベントを通して感じた内容として、「 データへの回帰 」と「ユーザーへの健全性の提供」というものがありました。

この2つは、当社がずっと提唱していた内容そのものなので、新たなインプットということではないですが取り組みの正しさの再確認が出来たのは良かったです。

先日のMarkeZine Day 2018 Autumnというイベントでも、「 データへの回帰 」というタイトルで講演を行いました。

もともと当社は、2006年の創業当時から今となっては懐かしいWeb2.0へのシフトによってネットにおける個人にまつわるデータが爆発的に増えるため、そうしたデータをどう処理するかということをビジネスモデルの中心に据えて展開してきました。

Web2.0に加えて、スマートフォンの登場、普及によって、消費行動を含む個人のさまざまな行動はデジタルデータ化されるようになりました。

ビッグデータ

こうしたデータをサンプリングではなく片っ端から活用しようという試みがいわゆるビッグデータという考え方です。

ただビッグデータは、すべてのデータという点にこだわりすぎたことと、データはイコール(平等である)というスタンスであったため、あまりうまく行かなかったというのが正直なところです。

AIブームがもたらしたもの

その後AIという新たなマーケティング(マーケティングだけではないですが)におけるブームが登場し、世間の興味はここ2-3年ほどすっかりそちらにシフトしている感じがあります。

ただ、データとAIというのは言ってみれば「材料」と「道具」であり、どちらがより重要というものではありません。

データだけあっても意味がありませんし、AIだけあってデータがなくては何も出来ません。

美味しい料理を作るには、良い材料と良い道具と良い料理人が必要なのと同じで、良いマーケティングアプローチのためには良いデータと良い道具とそれらを使いこなす人が必要です。

ここでAIブームについて考えてみると、AIブーム以前と以後で画期的に違う点といえば正直ディープラーニングくらいです。

もちろんAIブームによってそこにヒトモノカネが集中し、それまで以前と比べて格段に機械学習が進化したのは事実です。

そして、この2年ほどの取り組みで、AIをマーケティングに活用するというシーンにおいては結構やり尽くした感があります。

機械の自動制御や医療に関しては、まだ伸びしろはあるようにも思えます。

データへ回帰 する動き

そこで前述のイベントに登壇するような、いわゆるイノベーターと言われるような人たちは、再度データに目を向けるようになってきました。

道具の改善はとりあえずやり尽くしたので、材料を今度はターゲットにしたということです。

ビッグデータとは違い、データを構造化したり色分けして、重要なデータ、そうでないデータ、また連携するデータ、しないデータといった分類を行っているのが特徴です。

データへの回帰 データの構造化

ビッグデータ2.0とも言えるかもしれません。

取り扱うデータを見直すことによって、AIや機械学習による処理の結果を向上させる、というのがこれからしばらくのマーケティングトレンドになると、私は考えています。

そしてそこで改めて重要になるのが、もう一つのイベントを通じて感じた「ユーザーに対する健全性」というものです。

これは昨年Oracle Summitに参加してCX(カスタマーエクスペリエンス)という概念の重要性を感じ、CXについて啓蒙してきた中で、レビューの重要性を訴えてきた内容そのものでもあります。

ユーザーレビューと検索

商品の良し悪し、もしくは向き不向きを判断するとき、やはりオフィシャルなメーカーの情報だけではなく、実際それを購入、消費しているユーザーの意見というものは大変重要です。

こうした率直な意見を包み隠さず提供することが、今後重要になってくるというのは、このコラムでも以前何度か触れています。

そして、ユーザーレビューというのは、ある商品に対する評価の情報を、10倍100倍に増やす効果があります。

つまり商品情報というデータそのものも、またこれまで以上に爆発的に増えるということです。

ユーザーレビューは、情報として健全というだけではなく、データを増大させるという2つの意味を持っているということになります。

これからの購買行動においては、ユーザーはどのみち、そうした情報をスマートフォンという強力な武器を通じて、いつでもどこでも手に入れるようになります。

そうした情報を、メーカーもリテールも積極的に活用していくことが、データへの回帰という視点からも、健全性の提供という視点からの重要になることでしょう。

そしてもう一つ、こうした構造化した膨大なデータを扱うには、「検索」というテクノロジーがまた改めて重要になるということは言うまでもありません。

当社のZETA CXソリューションは、こうしたトレンドに以前から取り組んできているという強みがあります。

今後より一層、快適な購買行動に役に立てるよう、引き続き頑張りたいと思います。


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コラム一覧

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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