EC商品検索におけるUI・UXで重要なもの


EC商品検索のUI/UX
今回はECにおける 商品検索UIUXについて考えてみます。

まず最初に、大前提としてECにおける検索というのは正確性ではなく満足度のほうが重要だ、ということを改めて認識しておく必要があります。

検索は目的ではなくてあくまでも手段です。
これは検索のUIUXだけではなく、ロジックにおいても常に意識しておかないといけないポイントです。

EC 商品検索 のインターフェースとしての重要なもの

さてECの 商品検索 のインターフェースについて考えた時、入力には何があるでしょうか。
一般的な検索ですと最も重要なのは「キーワード」です。

ところがECの場合、もちろんキーワードが重要なケースもありますが、キーワード検索をしないケースもままあります。
たとえば旅行やレストランの予約の場合、キーワードを入れることもありますが入れないで検索が完結することも結構多いかと思います。

ちなみにここでECと呼んでいるのは物販だけではなく、消費行動に結びつくサービス全般です。
旅行やレストランの予約、賃貸住宅、結婚式場探しなどもその対象となります。

ECの商品(プランなども含む)検索の場合にはキーワードだけでなく、いわゆる絞り込み項目(ドリルダウンとも呼びます)が重要となります。

ちなみにこの絞り込み項目のことをファセットとも呼びます。
ファセットというのは面のことですが、商品群を絞り込む面というイメージですね。
「こういった面からも検討する」の面と同じです。

もう一つ重要なのがソート項目です。
いわゆる「並び替え」ですが、 ECの 商品検索 の場合は実は検索よりもソートのほうがより重要です。

一般的には検索は、絞り込みのほうが並べ替えよりも重要だと思います。
「対象が何か」を知るのが検索なので当たり前ではあります。

でもECの場合、欲しい物を全部買うことは出来ません。
だいたい「その中で一番自分の要求に合うものだけを買う」のだと思います。

となると本来は、常にベストマッチなものを1つ探しているということになります。
なので並べ替えのほうが重要なのです。

極論すると、常に全商品がヒットしていても構いません。検索上位、できれば1位に欲しい物さえ出ていればいいのです。

そういう意味ではECにおいては「検索」という表現は本来あまり適切ではないのですが、今のところ良い代替語がないのが正直なところです。

ユーザー満足度を上げるためにするべきポイント

ここまでに挙げた、キーワード、絞り込み項目(ファセット)ソート項目は、検索の際に明示的にユーザーが入力するものです。

他に入力としては、ユーザーの過去の行動履歴デモグラフィック属性などがある場合があります。

今のところ行動履歴をベースにしたものは商品検索ではなくてレコメンドとして扱われ、検索結果の中ではなく別の部分に表示されることが多いと思いますが、これは単にレコメンドが手抜きというだけです。

ユーザーが欲しいのは「自分がほしいと思える商品の一覧を有望な順に」なので、検索結果もレコメンドも同じ順番の中で並ぶべきものです。

ただ検索条件というのは「その瞬間の意向」を表現しているため、レコメンドよりも「的を得ている」可能性が高いのは事実です。

なので単なるレコメンドを検索結果の中に織り込んでも的外れになる可能性が高いでしょう。

ではどうしたら良いかというと、 商品検索 の順番を決定する要因の一つとして、レコメンドを取り込めば良いのです。

行動履歴を使わない場合、仮にA→B→C→D→Eという順番で並ぶとき、行動履歴を取り込めばA→C→D→B→Eになるかもしれません。

検索とレコメンドを切り離して考えるのではなく、検索をベースにしてそこへのいち重み付けとしてレコメンドを使うことが重要です。

冒頭書いたように、ECにおける検索というのは満足度が全てです。
満足度が上がるなら使えるものはなんでも使うべきです。

「実現したい検索」に必要な道具を選ぶ

ただ一般的には、ECに検索を実装する際には出来合いの検索エンジンを使うことが多いでしょうから、絞り込みと並べ替えは検索エンジンの仕様の範囲内でしか出来ないかと思います。

そこにどう行動履歴を取り込めばといわれてもどう実装して良いか困ってしまうのではないでしょうか。

検索の満足度

検索エンジンが返却してきた内容をさらに行動履歴を加味して加工することは可能ですが、それだと検索のレスポンスがかなり遅くなってしまいます。

ここはやはり、 商品検索 を行うロジックに行動履歴を取り込めるような検索エンジンでないと、なかなか難しいかと思います。

もちろんゼロスタートが提供する EC商品検索 エンジン「ZERO ZONE SEARCH」は、レコメンドエンジン「ZERO ZONE RECOMMEND」シームレスに連携するため、そういったことは容易に実現ができます。

これは、一般的なオープンソースの検索エンジンを頑張っていじくっても、どうにもならない部分の一つであると言えます。
ちなみによく商談で出てくるのが「◯◯というオープンソースの検索エンジンを使って実装するか、外部の検索エンジンを採用するか迷っている」というケースです。

そのときにいつもお伝えしているのが、「検索というのは本来やりたいことがあってそれを実現するために必要な道具を使うべきであって、先に道具が決まっていると検索の実現はあくまでその道具で実現できる範囲内でしかできなくなるのはおかしいですよ」という内容です。

「ZERO ZONE SEARCH」は検索エンジンでもあり、検索のツールキットでもあります。

インデックス、RDBMS、KVS、クローラ、ロガー、MapReduceなど様々なパーツを取り揃えていますが、あくまで中心にあるのは「 商品検索 ロジック」です。

実現したい検索を「 商品検索 ロジック」として実現し、そのために必要なパーツを都度組み合わせて理想の検索を実現します。

また、ここまでに挙げたのはあくまでも「ユーザーに基づく入力」だけですが、それ以外に「マーチャントに基づく入力」や「マーケットに基づく入力」などもあります。

例えば在庫情報、値引き情報、天気、トレンド、ランキングなどです。
ユーザー、マーチャント、マーケットなどに基づく入力をどう扱うか、それをどうUIとして実現するか、そしてトータルでユーザーにどういったECにおける商品マッチングの体験をさせるか、ECにおいてはまだまだそのほんの初歩的な部分しか実現していないケースがほとんどです。

次回も引き続き、ECにおける 商品検索UIUXについて解説していきます。


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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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